もうきたのかな

大学にて、クーラーの聞いた部屋を出たとき
夕暮れに夏の匂い。
早いなぁ。もう梅雨がくる。


彼とつきあい始めたのもこのころだったな、と感傷的になりながら
また部屋に戻る。


夕立が来て、すべてを無遠慮に叩き流してしまえばいい。
むせかえるほどの緑の下をとぼとぼと歩く。



気づいたらもう一周してしまった季節だ。
きっとまた何も変わらない。変わらないでほしい。変わってほしい。
何も残りはしないのだろうけど。