諦念か充足か
- 作者: 中山可穂
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/10
- メディア: 単行本
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一人の人に燃え上がるほど
狂おしいほど恋をする、という日は、私にまだ残っているのだろうか。
その感覚自体、私に残っているのだろうか?
冷静に、その人を「手に入れ」ようとする。
それは映画などでもてはやされる様な切望ではなく
どちらかといえば雑貨屋におかれた一目ぼれの物品を
どうやって自分の所有物にしようかと考える感覚に近い。
(付き合いだしたら出したで駄々をこねるだけだ。)
最上の居心地を求めたりとか
なにやら損得を考えたりとか
ただ相手を見るには教育されすぎてしまった気がする。
抵抗しても甘えなくても
可愛いと思ってくれるとは信じがたい。
どう扱えばいいのか知ら。
私は上にいていいのかしら。
今の状態が普通かしら。
前の恋を象徴する指輪を埋めて
もう一個、埋めようと思ったら
暖かくなりすぎていた夜の空気に唆されて
戻ってしまいました。
馬鹿みたいに泣いて泣いて
謝って後悔してまた元に戻る。
忘れ去られたかのように戻る。
二等辺三角形の斜辺、というタイトルの感想文を高校時代に書いた。
無限ループの無情に発狂しそうになりながら
すがり付き続ける。