だからってその鍵を持っていかなくてもいいじゃないか。


古めかしすぎて今の世の中
どうやってもその鍵に会う鍵穴はないはずの鍵を
後生大事に持っていた。
それが宝ものだと一目見たときから思っていた。
鎖を通して首にかけると
周りは貴方の心の鍵かしらと冷やかす。
そうだったらどれだけよいのだろう。
自分の心なんて他人の心と同じで良くわからないものだ。
乖離したようなふわふわとしたときに
鍵をかちゃりとあけて
それを取り出して握りつぶしてしまえたら。



君はその鍵を選んだ。
僕の代わりにそれを持っていくんだって。
ずっとこれからも大事にするから、貴方を思い出すから。


鍵は長い年月生き残っていた。
全体を空気に覆われ続けてきたから淡く錆びていたけれど
残っていられたのは、君がずっと孤独だったから?

彼女はふざけて僕の胸の鍵を閉めるしぐさをした。
実際に鍵を閉めて後生大事にしまっておけたらいいのに
風化してしまうことが予想できる自分が冷たく思えて
それを軽蔑しているもう一人の自分を感じる。


もう二度とあかなくなってしまった扉。
鍵は孤独じゃなくなったから。
もう、錆びていくしかない。
僕も、朽ちていくしかない。

事故

ちっちゃいすれ違いや事故が重なった。
くだらない感情が行き違った。


私は何故、貴方にけなされなければならなかったのだろう。
それもあんなに。



もう、後悔しても戻らないものなのだ。
どうにもならないものは、回想せずに、捨てて捨てて。



彼が好きだ。別れたくはない。
でも、ずいぶん信じられない。
話したくない。

必要とされていること

でも、そこに残りたくないんだ。
みんな好きなんだけど、どうしても。
嫌な予感がする。



人との関係はこんなに適当なものでよかったのか
と思ってみたりする。
真面目に取り合っちゃいけないのだ。
何故ならほとんどの人が他人なんてどうでもいいから。
人が何を考えているのかで傷つける人は
とても優しい人なのだ。
その優しさは、特別認められるわけじゃない。
同類を少し呼ぶくらいで。


身勝手に乗るのが優しさ。
優しさを私は必要以上にふりまいていたのか。

うとうとと。

やる気が出たら、仕事の9割は終わったも同然だ
という森博嗣の言葉は正しい。
やる気が出ない。仕事なのに。
これからお金をもらいにいくはずにもかかわらず。
むしろ仕事だからか?


やりたくなくてもやらなければならないことの方が
世の中には多いはずだ、と自分をごまかしてみる。
それでもどうもやる気が出ない。


何もないから逆にいけないのか。
いやだけどがっついていたあの頃は
信用を得るのに躍起だった。
今だってやらなければ、失うだろうに。


何もしたくなくても、私とは関係なく社会は動く。
だからやらなきゃならないの。
猫と眠っていたいなぁ。


そういいつつ、予習をしよう。


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外見や印象で人を分類するのは大切なことだが
その先入観で人を無下にする権利などあるだろうか。