幸せ、とは手に入れてしまうとあっけないものであり
それが幸せであるのかどうかさえ分からないほどである。
きっと私はそれを今手にしているのだと思う。

しかし雲をつかんだかのような感覚しか残っていない。
維持するのが非常に難しいのは形がないことは勿論
非常に捕らえにくく、またあっさりしているからなのだと思う。


何故彼を愛するようになったのか未だに良くわからない。
何か一つ特別なものがあってそれを愛するとか
非常に強い権力を私に感じさせてそれに私が従うとか
分かりやすさは微塵も持ち合わせていない。
ただ当然のようにそこに居て
当然の如く私を慈しんで
また家に帰っていくばかりだ。


雨の午後
昼寝をしながら

少し離れようとすると
眠っているのに私を引き止めたり

地震があって*1
慌てる私を宥めたり


渇望せずとも流れていく時間の
長く続くことを祈るばかりである。

*1:伊豆、横浜でした。早く静かになりますように。